誰しもが一生に一度は経験すると言われている便秘は、腹痛や肌荒れ、頭痛、肩こり、疲労感、痔、不快感、食欲不振など、全身に様々な悪い影響を及ぼします。
特に慢性的な便秘の場合は、大腸がんなど重大な病気の原因にもなるので、注意が必要です。
便秘の原因と種類
便秘は大きく分けると、胃や腸などの消化管に障害があることが原因で起こる器質性便秘と、消化管に障害がなく排便に関わる機能の低下が原因で起こる機能性便秘に分類されます。
一般的な便秘は機能性便秘のことを指し、ダイエットによる過度な食事制限や水分不足、月経前、妊娠中などに一時的に起こる急性(一過性)便秘と、長期的に続く慢性便秘があり、慢性便秘は下記の3つに分類されます。
- 弛緩性便秘 : 筋力の低下により、便を押し出す力が弱まり、腸の働きが悪くなることが原因で起こる便秘。
- 直腸性便秘 : 便意があるのに排便を我慢することで、便の水分が体内に余分に吸収されて硬くなったり、排便反射が鈍くなることが原因で起こる便秘。
- 痙攣性便秘 : 自律神経が乱れることで大腸の蠕動運動が強くなり、痙攣した状態になることが原因で起こる便秘。
便秘の効果的な解消法
機能性便秘はバランスの良い食事や適度な運動、十分な睡眠など、生活習慣を改善することで解消されることが多いです。
ここでは便秘に特に効果がある具体的な解消法の中で、身近で簡単にできるものを厳選してご紹介いたします。
寝起きに水を飲む
睡眠中は大量の汗をかき、水分が不足しがちです。
水分不足が原因で便秘になることは非常に多いので、寝起きにコップ一杯の水を飲むことで便秘解消に繋がります。
また、寝起きは胃が空っぽの状態ですので、水を飲んで胃を重くすることで大腸が刺激され、自然な蠕動運動により便意を催します。
腸内環境を整える食べ物
便秘のときは腸内環境が悪化していることがほとんどです。
善玉菌を増やし悪玉菌を減らす食べ物を積極的に摂り、腸内環境を改善することは、便秘解消にとても効果があります。
腸内環境を整えるには、乳酸菌や食物繊維、オリゴ糖などが良いとされていて、食べ物だと納豆、ヨーグルト、バナナが特に効果が高いです。
つま先立ち
便秘には関係ないと思われがちですが、即効性のある解消法の一つです。
つま先立ちをして、ふくらはぎを刺激することで血行が促進され、大腸の蠕動運動が活発になります。
また、お腹周辺の筋肉を鍛えることもできますので、便秘にとても効果的です。
つま先立ちの方法は下記のとおりです。
- 足を肩幅ほど開く。
- かかとを上げ、親指の付け根に力が入るようにつま先で立つ。
- 5分間つま先立ちを続ける。
便秘に効くツボを刺激する
未だにツボの効果を気休め程度だと思っている方も多いですが、現在ではツボの効果は医学的に証明されていて、世界保健機関(WHO)でも認められています。
便秘解消に良いとされているツボは数多く存在しますが、ここでは即効性があり特に効果が高いツボをご紹介いたします。
- 天枢(てんすう) : おへそから指2~3本分外側の左右にあるツボです。
- 大巨(だいこ) : 天枢から指2~3本分下がったところにあり、このツボも左右にあります。
- 支溝(しこう) : 手の甲側で手首から指3~4本分ひじに向かったところの中央にあります。
- 間使(かんし) : 手の平側で手首から指4~5本分ひじに向かったところの中央にあります。
まとめ
便秘には様々な種類があり、原因もそれぞれですが、一般的な機能性便秘の場合は生活習慣を改善することで解消されることが多いです。
日頃から寝起きに水を飲む習慣をつけたり、納豆やヨーグルト、バナナなどを積極的に摂って腸内環境を整えておくことで、便秘の予防にも繋がります。
また、今すぐ解消したいというときには、即効性のあるつま先立ちやツボを刺激してみると良いでしょう。